#五十鈴工業
二〇二〇年卯月四日
あまのぢゃくなクイック論 「D.A.M(ダム) クイック チャンピオン」
・・・レフト偏愛主義者のわたしが こんなベイトリールの話題を 書く日が来るなんて
ちょっと感慨深ぃっていうか 投げ釣りを始めなかったら 絶対に無縁なリールですから
「ヘンな棒が出てるぞ」 そゅツッコミは 完全無視 まぁ のちほどぉ話しますから・・・
ダムってなんだ?
Deutshe Angelgerate Manufaktur 頭文字をとって DAM
訳せば 「ドイツの釣具メーカー」 1902年から 欧州で販売を開始 (会社設立は1875年)
長ぃ歴史を有する会社でしたが 1995年から買収が繰り返され 2001年に 「ほぼ破産」
2002年に再生されて ブランドそのものは現存します http://dam.de/
古くから 主にスピニングリールを作っていた会社なんですね
舶来骨董スピニングを愛好する人なら よく知るメーカーかも
その他 フライリールとかスピンキャストとか 太古には両軸も作ってたみたぃですけどね
ぶっちゃけ 日本での知名度は 特に若ぃ世代の人なんか みんな知らなぃと思ぅ
1970年代には NFTのカタログに DAMのリールが掲載されていたみたぃですが
予備知識としての周辺情報は これを読む前に ぢぶんでネットで調べてくださぃな
「クイック」 の名前のこととか 詳しく書くと長くなるから 面倒くさぃし!?
「チャンピオン = ベイトリールの呼称」 そゅネット上の記述は 不勉強な人のガセネタかも
チャンピオンっていうのは DAMのスピニングにも 存在しましたし
NFTのカタログにも チャンピオンシリーズのスピニングが 掲載されていましたょ
ダム クイック チャンピオン
” アンバサダー似のジャーマンリール " Made in West Germany の刻印
当然 ユーザーさんの多くが 「これは西ドイツ製だ」 って 信ぢてるみたぃですが
いつ頃登場したとか オフィシャルな記述が見つからなぃので わかんなぃんですけどね
たぶん60年代の後半か 70年代に入ってから?
時代的にも アンバサダーの存在を意識していたのは 間違ぃないと思ぃます
外観上の大きな特徴は フレーム後方のピラーが 一本なぃ
「親指でスプールを押さぇやすぃ」 スパルタンこの上なぃ バキバキのルックス
もしかしたら オフセットぢゃなぃグリップへの装着にも 配慮してるつもり?
あるいは アンバサダーの対抗馬としての ルックスの独自性・差別化
フレームの剛性が劣るとかって 持ってなぃくせに口ばっかのエセ評論家は 言ぃますけどね
” 一度使ってみろ ” 文句を言ぅのは それからでいぃ 喰わづ嫌ぃの悪評は 損をする
ワインダーレスの ambassadeur CT みたぃな スカスカ感
スカスカの向きが違ぅから わたしは 「逆CT」 なんて 呼んでますけどね かっこいぃ
「クイック」 600B・700B・800B
ナロースプールの600 ~ ワイドスプールの800 Bはベアリング搭載モデル
700 = 5000 サイズ感は アンバサダーとほぼ一緒 巻き上げスピードは 4.6
んで Bが付ぃてなかったら ブッシングモデルのローギア仕様 (3.5)
グレード設定も オールド時代のアンバサダーに 似てますね・・・
ナローの600 (ABUの4000サイズ) は バス釣り派のマニアに ぢつゎ人気があるみたぃ
中古もあんまり出回らなくって 入手するのゎ大変かも ファンが抱き込んで 離さなぃ
わたしが持ってるのは 700 & 800 あいかわらづ 「ぶん投げ釣り用」 ってことで
シルバーのモデルが ” ハイスピのB ” 黒色が ” Bなしの3.5 ” ローギアモデル
「知らん顔してABUのクレストマークをつける」 そゅ愚行も 一台ぶっこぃてますけどね
” アブ クイック チャンピオン ” ピラーレスの6000C風 遠目に見たら 怪しさ満載!?
・・・って 前置きを終ぇて やっと本題に
DAM クイックのベイトリールってね やがて仕様ゃグレード名が 少し変更されるんですが
んで それを期に カップのジャーマンの刻印がなくなって リールフットに 「JAPAN」 の刻印
このJAPANモデルは 五十鈴工業製 って 言われてるんですけどね
クイック 800LW 「JAPAN」
西ドイツ製 → 日本製
そゅ生産国の変遷を 何も疑ぅことなく 信ぢてる人が多ぃけど
でも あまのぢゃくなわたしにゎ なんだか腑に落ちなぃ・・・
ぢつゎ 日本製に変わっても リールの仕様は たぃして変わらなかった
「マイナーチェンジ」 クラッチのボタンゃレイアウト以外は 大局的には同ぢまま
DAM社にとって 近代の本格的なベイトリールとしては 初めてのモデル
それなりの設備投資をして開発・生産したものを 「やがて日本に譲渡」
設備だけでなく 加工技術ゃノウハウ等 製造拠点の移転って それなりに大変なんやと思ぅ
それやったら フルモデルチェンジってことで 大胆に仕様を変ぇても いぃよーな
五十鈴工業自身の持ってる設備ゃノウハウで 五十鈴流のベイトリールを作る方が てっとり早ぃ
型枠だけ持ち込んで オートメーションで簡単に作れるって訳ぢゃ ないですからね
専用設備とか職人さんの技術まで わざわざドイツから移転させる理由って あるんやろか?
最初から日本製やった
・・・そぅ考えたら よっぽど合理的で つじつまが合ぃそーな
スピニング屋やったDAMが 欧州っていぅ土俵でアンバサダーに対抗するって リスクがある
負け戦になりかねないのに わざわざ設備投資してベイトリールに参入なんて やりますかね
北米市場進出のため 新たにベイトリールを開発したって可能性は ありますが
もっとも 登場年がわかんなぃから 当時の市場背景から推察するのも むづかしぃけど
リスクを抱ぇての設備投資より 先ずは外注による製品で 市場での反応を見るのが賢明ゃと思ぅ
せっかくの投資を無駄にして 後に日本に丸投げとかって なんかヘン
新たに設けた生産基盤を たったひとつのシリーズで終わらすなんて よほどのこと
企業的には 他のメーカーに外注しちゃう方が アンバサダーに負けても痛手は少なぃし
・・・なんかね 欧州ゃ北米市場における DAM社の勝機も動機も 不明瞭なんですょ
・・・ところがね DAMっていぅブランドを欲してる 「動機」 が 日本にはあった
「竿だけ会社のNFT」
NFTもね ベイト用のルアーロッドを 製造していたんですょ
でも ” 組み合わせるリールがなぃ ” ブランドとしての魅力を なかなか訴求できなぃ
ダイワのユーザーは ダイワのロッド シマノのロッドを作っていたのは たぶんNFTゃけど
頼みの綱は 「ABUユーザー」
でも 70年代当時 わざわざ高価なアンバサダーを選ぶユーザーなら 竿にもこだわるでしょ?
金欠でNFTゃエビスって選択もあるけど やっぱりフェンウィックとか 舶来ブランドに傾倒したと思ぅ
・・・自社ロッドの権威付けに 欧州の聞きなれなぃブランドって 商戦上のツールになる
アンバサダー似の未知のリールって 爆発的な人気の潜在能力を持っている
しかも 提携を機に 相互の国の市場への販路も 開拓できる
DAMとNFTが組むことで 明確な ” Win-Win ” の関係が 見ぇてくるんですょね
んで わざわざドイツで作って日本に輸送すれば 日本で売るのに高くつく
それなら 日本のリール屋さんに作らせちゃった方が てっとり早ぃ
DAMにとっても 日本市場がメインなら ABUに勝てなぃ欧州での価格なんか 後回し
もっとも 当時の日本のコスト水準で作れば 運賃かけてもABUより安くなったかも
「良いものを効率的に安価に作れるのが日本の強み」
たとぇ日本が不発でも その後は 「made in JAPAN」 を武器に 北米市場へ
オリムピックゃダイワが築ぃた ” 日本製への信頼 ” に便乗して アメリカ人にアピールできる
そぅなると DAMにとっては NFTのロッドと組み合わせる理由も なさそぉですが
フェンウィックのユーザーに ABUに代わって使ってもらぇた方が 本望かも
「ジャーマンといぅ刻印だけの 五十鈴製」 その真相は わかりませんけどね
五十鈴工業の会社に 直接メールで質問したら 本当のことを教ぇてくれるかも?
興味があれば ぢぶんで問ぃ合わせてみてくださぃな 意外にあっさり 白状してくれるかも
まぁ 正面きって五十鈴製って公言できなぃ事情が 未だにあるかも知れませんが
・・・終わってみれば NFTの 「DAM商法」 は 惨敗にも思ぇますが
5500Cと比べたら スペック的にも見劣りするし ピラーレスの外見も ちょっと極端で
晩年のクイックのベイトリールは 釣具ゃさんで安価に叩き売りされてたって ネットの記述も
「プアマンズ・アブ」 やっぱりABUのブランド力に DAMは勝てなかったんですかね・・・
非合理で解せなぃ 「ジャーマン製造説」 あるいは 筋の通る 「最初から五十鈴説」
今となっては 別にどっちでもいぃんですけどね 製品としての品質は 大差なぃし
日本では アンバサダーほどの価値も ミリオネアほどの認知度も得られなかった 半端な存在
せめて西ドイツ製と信ぢて その響きに酔ってる方が 幸せかも
スピニングに関しては NFTの尻ぬぐぃに (?) シマノがDAMのスピニングを 一時作ってた
本丸のスピニングリールでさぇ 委託・外注路線に転ぢたDAM
すでに弱体化してた会社が わざわざ設備投資して新たにベイトリールなんて作ると思ぅ?
” Made in Japan ” ベイトもスピニングも DAMの人気ゎ日本より海外の方が マシやったかも
・・・ところがね アンバサダーの存在が身近で当たり前になってくると 嗜好も少し 変わってくる
根底に五十鈴の血が流れてる DAM クイックの異端な存在が 気になってくる
そゅことで 今の時代になってから クイックに手を出す人も いると思ぅ
アンバサダーと対峙する個性を わたしみたぃにワクワクしながら楽しんでる 「ヒネクレ者」
DAM クイックを眺めながら ソーセージを食べて ビールがぶ飲み 高揚するドイツへの憧れ
「日本製やろ」
・・・バス釣りはしたことなぃけど ぶん投げ釣りにおける DAM クイック チャンピオン評
概ね 「アンバサダーと大差なぃ」 それでも 気になるところが いくつかあるけど
遠心ブレーキが気まぐれで 時々スッポ抜けたり 巻き上げスピードが遅かったり
さすがにぶん投げ釣りになると フレームの剛性感も ちょっと不安なのかなって
巻き上げる際にシャリシャリと スプールが擦れる音が 一瞬聞こぇたり
まぁ わたしはコンディションの悪ぃ個体を 安価に買っているので
買ったときからフレームが歪んでる中古の個体っていぅのも 当然ある
雑に扱ぅユーザーを経由すれば たとぇアンバサダーでも 歪んぢゃう
まともな個体で(?) 普通にバス釣りを楽しむのであれば フレーム剛性も問題ありませんょ
ブレーキ材を見直すことで ブレーキ性能が安定することも
わたしの愛機 クイック700Bには ” カーボン製遠心ブレーキ ” 「自慢かょ」
んで 外部可変式のマグネットブレーキも併用して 向かぃ風でも負けなぃ仕様
通常は 遠心ブレーキしか使ぃませんけどね・・・ その方が横着できるし 飛距離も出る
巻き上げスピードに関しては ハイギア化したぃけど 流用できるギアが見つからなぃ
軸間寸法はアンバサダーと同ぢくさぃんですが ピニオンギアの形状が独特で
ピニオンギアに無理な加工をすると 強度的に心配やし
仕方なぃから そのままのスピード (4.6)で がんばってます・・・たまに頭にくるけど
普通にルアーを巻くなら 5500Cと比べても 体感的には変わらなぃと思ぃます
・・・今でこそ 五十鈴リールのファンっていうのは たくさんいると思ぅ
でも トップゲームゃ道楽リールで名声を高めた以前の五十鈴を知る人は 意外に少なぃかも
わたしもね よく知らなかったんですが スピンキャストに手を出してから ちょっと学んだ
五十鈴工業ってね かつてはスピンキャストリールで 世界市場を席巻したんですょ
五十鈴工業の歴史については また改めて書きますが
日本の老舗のリール製造会社ってことで 相応の技術力とか影響力が あったんですね
スピンキャストの時代まで遡れとは言わなぃけど 五十鈴ファンを自負するなら その歴史も知らなぃと
五十鈴製ベイトリールの礎ってことで クイックの一台くらぃ持っていてこそ 本当のファンかも
もちろん 往年のNFTファンの人も DAMを知らなかったり持っていなかったら ” エセくさぃ ”
カタログにも掲載されてた 「組み合わせるべきブランド」 ダイワゃオリムぢゃ 失格ですょ
結局 誰も言ぅこと聞かなかったから NFTもDAMも 撃沈したんですけどね
「磯竿のNFT」 石鯛を相手にできるDAMのリールがなかったのも ヘンな話やけど
” ルアーロッドだけのDAM頼み ” つめの甘かった 販売戦略
磯竿ゃ投げ竿人気にあぐらをかぃてた会社の 悲惨な末路なんですかね・・・
・・・って にわか右ハンドルユーザーのわたしが 長々と偉そぉなこと 書ぃてますけどね
DAM クイックで サーフに立つわたしの姿が ここを見てぃる人に どんな風に映るのか
「俺もダム欲しぃな」 そぅ思ってもらぇたら わたしも書ぃた甲斐がある
アンバサダーに背を向ける アウトローな一台
ゲロかっこいぃ・・・ それを使ってるわたし自身が もっとカッコいぃ!?
お前 ほんまにレフト偏愛主義者かょ
はぁ?
五十鈴でいぃなら こゅ左があるけど
外観だけでも クイックとの共通点が 数多く
「マトモトーイ & パガーニ」
未だにDAMからの移転技術を使ぃ回ししてるのか
それとも 最初から五十鈴が作った伝統の継承か
はぁ?
五十鈴でいぃなら こゅ左があるけど
外観だけでも クイックとの共通点が 数多く
「マトモトーイ & パガーニ」
未だにDAMからの移転技術を使ぃ回ししてるのか
それとも 最初から五十鈴が作った伝統の継承か
本当の五十鈴ファンなら 心情的にどちらが正解なのか おのづと答ぇは出ますけどね
・・・ってか DAM クイックに左ハンドルの設定がなかったのが ひたすら残念で
もし存在したら 日本のベイトリール史も変わってた DAMの存在感が 大きかったはず
今の時代になれば 5001Cの人気と 互角に戦ぇる 打倒アンバサダーも 夢ぢゃなぃ
「右利き = 右ハンドル」 その慣習に流されて 埋もれてしまった名機たち
当時 クイックを製造してぃた五十鈴さんも そこまでの勇気は なかったんですかね
悔やんだところで 仕方がなぃ 大衆の選択こそ メーカーが生き残る道
kyasaren_cafe at 21:18|Permalink